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最近、ネパールでの大会に向けてのトレーニングに力を入れています。

今回の大会は、以前とは大きく違うところがあります。それは、若いコーチに多くを任せているということです。


今まではブータンの選手が国際大会に出る際は、コーチである僕が付きっきりで指導をしていました。1ヶ月前と直前で別の練習メニューを組み、筋力トレーニングメニューも時期によって変えて。減量が必要な場合は一緒に走り、食事メニューを管理したり。そして選手と現地に行き、直前の調整、コーチ監督会議、組み合わせ抽選会、計量、柔道衣チェック。当日はコーチボックスに入り、一番近くで声をかけて。などなど。


これらを今回は若いコーチたちに任せることに決まりました。


今回ネパールで開催される大会は、20歳までの子どものための大会です。20歳以上の選手は試合がありません。そこで20歳以上の若いコーチ3名を、コーチとして大会に参加させることになりました。

これは当日コーチボックスに入るのはもちろんのこと、試合に向けての強化も彼らに任せています。任せると言っても彼らに丸投げにするのはまだ難しいので、計画の段階では僕も介入します。


まず彼らに1週間、練習の様子を見てもらいました。その後選手たち13名の弱い部分を書き出して、その改善のためにどんなトレーニングが必要かを考えます。彼らにどんな力が必要で、どんなトレーニングをすれば身につけられるかということです。

そしてそれに沿って練習メニューを作りました。11個ずつメニューをこなしていきます。


練習時は、基本的に彼らに任せています。選手たちへの指示出しや、ルールや練習内容の説明、柔道ノートを使ったフィードバックなど、ほとんど全部を彼らにやらせています。


正直言ってこれをやる前は、かなり不安でした。24歳のコーチ2名と21歳のコーチ1名。まだまだまだまだ、はっきり言って頼りない。特にここ一年間、僕は必死になって彼らを育ててはいるもののなかなか進歩が見られませんでした。

テクニックとか能力の問題ではなく彼らの気持ちの問題が大きかったので。彼らを伸ばせない僕自身に、何度も落ち込んでいました。


ところが実際話し合いを始めてみると、僕が思ってたよりもずっと彼らは選手たちを見ていました。そして具体的な意見をもって、メニューの案を出してきました。

トレーニングを始めたら、堂々と選手たちに説明を始めます。僕が最初に出会った時の彼らとは大違いです。

もちろん選手たちの技術的な成長はとっても嬉しいのですが、人としての成長はなお胸に刺さるものがありますね。 


僕は少し離れたところから、彼らを見ていました。いつのまに、こんなに頼りになるようになったんだろう。僕が思ってたよりずっと、彼らは成長していたようです。


「もう僕がいなくても大丈夫かもしれないな。」なんて思いながら、泣きそうになってしまいました。危ない危ない。


そんなわけで、国際大会に向けて選手とコーチたちが頑張っています。僕は必要最低限だけ入って、あとは練習相手と言ったところでしょうか。

教え子たちの成長を見て、思わず泣きそうになった話でした。幸せなことです。

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