以前も記事にしたことがありますが、ブータンでは年に2回柔道大会を行なっています。夏休みの終わりと冬休みの終わりに開催します。
今期は1月21日です。いよいよ近づいてきました。
そんな先日、教え子の1人からメッセージが。彼女の家族での欠かせない行事があって、地方に行かなければならないようです。
こういうの、ブータンではよくあるんです。
家族や親戚の繋がりが強いこの国では、家族で集まる行事はすごく大切です。また家族で行う宗教行事なんかになると尚更。いくら大切な大会前でも、これを止めることはできません。
この子はこの冬は特に頑張っていたので、結果を出してほしい。ぜひとも柔道大会には出場して、挑戦してほしい。
そこで恐る恐る大会への出席を聞いたところ、こんなメッセージを送ってきました。
「先生!それは絶対に出ます!今回は絶対金メダルを取りますから!」
今回このメッセージを送ってきた子は、3ヶ月ほど前に、「上級者クラスに入って練習をしたい」と言ってきた女の子です。
彼女ら2人はこの日以降、最もハイレベルクラスで男子たちと練習をしています。ウエイトトレーニングなんかも、一緒になって取り組んでいます。
ある程度年齢が上がると、男女の力の差がはっきりしてきます。運動神経やテクニックのうまさはそんなことはありませんが、筋力の強さでいうと明らかな差が出ます。これはどうしようもないことです。
にもかかわらずこの2人は、男の子たちに混ざって練習をし続けています。
そんな子が今回の大会への意気込みを教えてくれました。本当に勝ちたいんだろうな。気持ちが伝わってきます。
実は今回メッセージをくれたこの子、前回大会では負けた子なんです。優勝候補とされながら。
この、優勝宣言をした子に負けたのが、今回の子です。そう、リベンジマッチなんです。「今回は絶対勝ってやる」という闘志を感じます。
これが僕にとっては、すごく嬉しいんです。彼女がこんなに熱くなれるということは、ですよ。少なからず現時点では彼女の人生にとって、柔道が大きなものになっているということだと思うんです。どうでもいいものだったら、リベンジに燃えませんもん。
特に女の子が柔道に対してこうやって熱心になってくれるのが、僕は本当に嬉しいです。柔道をやめていった女の子たちをたくさん見てきました。その原因は僕にあります。続けたいと思う環境を作ってあげられなかったので。なのでなおさら。今のやり方は間違っていないのかもしれないと思えます。
さてさて、柔道大会は1月21日の土曜日。楽しみです。
大会後には結果を報告させていただきますね。
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