※今回は子どもたちの顔が多いので、あえて荒い画像を使わせていただいています。
先日、近隣の学校で柔道の普及活動をしてきました。
ブータンの柔道人口はまだまだ少なく、柔道チームは2チームしかありません。
この国で柔道はまだまだマイナースポーツであり、柔道が何かを知らない人だらけです。大人でも多くの人が柔道と空手、テコンドーの違いをわかっていません。子どもは尚更で、「柔道」という言葉を聞いたことがない子ばかり。こんな現状です。
そんなブータンでは、まず柔道を知ってもらうことが必要です。柔道というスポーツがあって、それに一生懸命に取り組む人たちがいて、そういった場所があるというのを知ってもらいます。そしてもし興味があれば来てもらい、仲間入りしてほしい。
このイベントはコロナの影響でここ数年は行っていませんでしたが、それ以前は毎年行っていました。ブータンのような環境ではかなり効果があるんです。
ブータンの学校では、基本的に部活動がありません。それもあって身体を動かしたい子は結構いたりします。環境がないだけで。
金銭的な問題でスポーツクラブに入っていない子や、近所でスポーツできる環境があるのを知らない子はたくさんいます。そこで僕たちの活動を知ってもらうだけで、仲間が結構増えたりするんです。
ちなみにブータン柔道の月謝はとびきりやすいです。さらにいえばお金がない子からは貰っていません。
柔道の魅力を発信して知ってもらうこのイベントは、僕らにとっては強力な武器なわけです。
今年もこの普及イベントをしようということで、1ヶ月ほど準備をしてきました。そして先日、近所の学校でデモンストレーションをしてきました。
行ったのは柔道場から見える場所にある公立小学校。通える距離の学校です。そこの学校長に協力のお願いをして、平日の昼間の時間をもらって披露してきました。
1000人はいたでしょうか、かなりの子どもたちに見てもらうことができました。
披露した内容は、大きく分けて4種類。
・簡単な運動(前転、後転、開脚前転、倒立前転など)
・柔道の技(主に投げ技)
・アクロバティックな運動(大きく前転、ハンドスプリングなど)
・実践的な護身術
柔道の技はもちろん、柔道の練習をすることで身につくアクロバティックな運動なども披露します。そして最後は護身術。女の子1人がヤンチャな男の子グループに絡まれて、投げ飛ばすという演劇です。日本でも学校の部活動紹介なんかでよく使われます。
柔道を全く知らない子供たちからすると、このデモンストレーションは大ウケなんです。そりゃ人が人を投げるところを初めて見るわけですから、衝撃ですよね。さらに器械体操のようなアクロバティックな動きや、女の子が男の子グループをやっつけるのを見たら…やってみたくもなりますよね。
かなりの盛り上がりで、大成功でした。これから柔道場を訪れる子たちが増えそうな予感。
そしてこのイベント、普及だけではなくもう一つ狙いがあるんです。
実は今回デモンストレーションを披露した子の多くが、3年前にデモンストレーションを見て柔道を始めた子たちなんです。見て憧れた柔道のデモンストレーション、今度は自分達が披露する側なわけです。
当日はとっても緊張していたものの、しっかりやりきりました。胸を張ってよく頑張りました。彼らにとって、大きな自信になったと思います。
まだまだこれからの彼らにとって、柔道が誇れるものの一つになったらいいなと思います。
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