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ちょっと前にも選手との温度差を記事にさせていただきました


が、今回はまた別の、もう少し若い子の話です。


さあいよいよ教え子の1人が出場する国際が、一週間前に迫ってまいりました。

試合までの練習はもう数えるほどしかありません。試合には自信を持って臨ませたいので、試合直前はひたすらにいいイメージを持たせる練習を心がけています。

「最近は動きがかなりいい。今日は実践的な練習を普段の7割くらいやって、残りは気持ちよく投げるイメージをつけさせよう。」

などと考えながら練習の準備をしていたら。教え子からメッセージが。


「先生!今日は僕のクラスと先生たちのフットサルマッチがあります!だから今日1日休みをください!🙏

こういうの、よくあるんですよね。この国ではフットサルやサッカーはすごく愛されています。サッカークラブとかってより、遊びとしてですが。友達と遊ぶ時は大体これです。


柔道によって彼らを縛る気は僕にはありません。

僕はこの国で、「柔道によって彼らの人生が豊かになればいい。」と思って指導しています。柔道を通じて一生の友達ができたり、柔道を自分の自信にしたり、柔道で結果を出すことで輝いたり、柔道によって生きる道がひらけたり、などなどです。

「練習があるから家族旅行や友達と遊びに行けない」のように彼らを縛ることはあってはならないと思っています。柔道家としては甘い考えかも知れませんが、ここで柔道を教えるには必要なことだと僕は思っています。柔道を苦痛には絶対にしたくないです。


なのでフットサル大会などには、柔道の練習を休むことになっても教え子を送り出します。「がんばれ!勝ってこいよ!」などと。

だから今回も同じテンションで「フットサルマッチを優先させる」と言ってきたのでしょう。


でも今回は、もう試合の直前なんですよね。それもチームを代表して出る国際大会の。

さらに言うと今回の彼、1ヶ月前にもフットサルマッチに出て、足の爪が剥がれて少しの間練習ができなくなっていました。


同じことが起きたら試合には出られないでしょう。というか試合直前だけど、彼は試合にあんまりフォーカスしていない!?試合に向けて気合が入ってるのはコーチの僕だけ!?

なんて考えて、なんだか寂しいと言うか納得できないと言うか


結局フットサルマッチには送り出しました。「絶対に怪我はするな。国際大会の直前だってことをよく考えて行動なさい」とメッセージを送って。

結果としては怪我はしなかったようです。よかった。


そして次の日に、彼が僕にメッセージを送ってきました。

「先生ごめんなさい🥺🙏昨日は僕は柔道に参加したかったのですが、クラスメイトに言われて断れなくて。昨日は怪我をしないようにキーパーをしました。次からはよく考えます。もう一度チャンスをください🙏

特に今回のことについて僕が彼に何か言ったわけではありませんが、彼なりに昨晩考えていたようです。ちょっと絵文字はうるさいですが(笑)

17歳。まだまだ子どもです。「フットサルしたい!」の気持ちが昼間には優ったけど、夜になって思い返して焦ってきたのでしょうか。

僕からは「怪我がなくてよかった。あと一週間、気合を入れていこう」と短いメッセージを送っておきました。


教え子たちのことはもっと理解してあげたいし、彼らの気持ちもわかってあげたいです。でも僕としては、彼らの人生が柔道によって少しでも豊かになったらと思って、そのために厳しいことを言います。厳しく追い込むことが必要な時もあります。もちろん勝つことが全てではないです。だけど強くなって結果を出すことで、開ける未来も絶対にあります。

外国人である僕の価値観や考えを強要してはいけないけれど、上のレベルを目指すには甘い考えではダメなんじゃ?などと考える本日です。


現在、違う文化や考え、価値観がある場所で、ものを教える仕事をしています。こんな環境だから考えることで、誰でも経験することではない。貴重な体験なんでしょう。ありがたいことです。

4年目となっても、まだまだ試行錯誤の日々です。とりあえずは試合に向けてあと一週間。選手と足並み揃えて準備します。

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